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北アルプス裏銀座縦走
3泊4日で裏銀座を縦走できるが、それだけでは面白くない。高瀬ダムから烏帽子岳、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳、槍ガ岳、北穂高岳と、5泊6日で縦走する旅だったが、ちょっと天候に恵まれないお盆であった。

七倉ダムからタクシーに乗り換え、登山口となる高瀬ダムに移動する。七倉ダムには電力会社のゲートがあるので一般の人はタクシーに乗り換え、ゲートが開く6時30分までタクシーの中で待機する。タクシー乗り場付近に、たくさんの登山者がいた。今回は運が良かったので先頭のタクシーに乗り込むことができた。タクシーの入場制限が10台と決められているが、既に20台以上のタクシーが並んでいる。きっと後続のタクシーは30分〜1時間待ちをするのだろう。

高瀬ダムからトンネルを越えて吊橋を渡ると濁沢キャンプ場がある。砂地で寝心地が良さそうなテント場だが、ここはあっさり通過して進む。七倉温泉で水を補給するのを忘れ、キャンプ場で水道施設を探すものの見つからない。ちょっと不安になりながら通過する。


濁沢と言うだけあって濁った水は飲めそうもない。その先には裏銀座の稜線も見え、意外と標高が低いように感じられる。しばらく歩くと最終水場が現れ水筒を満タンにできた。ここからブナ立て尾根が始まり、NO.0〜NO.12の標識が登山道の脇にある。最終水場がNO.12で烏帽子小屋がNO.0となる。ペース配分に注意しながら、最初の目的地の三角点ピークまで急登が続く。ここを過ぎると 、しばらくなだらかな尾根歩きとなり、またまた急登が現れる。

小屋泊まりのようなペースでブナ立て尾根を登ってきた為、足の疲労がピークを迎えていた。小屋で水を1L補給してコンビニで買ったおにぎりを食べていると、長期縦走者らしい人が欲しそうな目で見ている。ちょっと悪い気がしたのでサブザックに必要な物を詰め込み、烏帽子岳に続く登山道に逃げ込んだ。


だましだまし歩きながらニセ烏帽子岳を通過する。景色が良い場所で縦走路の脇には、たくさんの池もある。

烏帽子小屋に戻り、野口五郎小屋に向かって歩き始めた。1日目に野口五郎小屋まで進んでおけば翌日からの行動が楽になる。黒部五郎小屋まで2日で行ける行程が3日となってしまうからだ。

野口五郎小屋に到着してからテントの受付を済ませ、表銀座の山並みを見ながら日が暮れてった。テント場はトンボで整地され、さながら山岳農園のような感じさえ伺える。船窪となっている地形は風の影響が少ないかと思っていたが、夜明け前に風が強まり、体でテントを支えながら朝食仕度が始まる。底から吹き上げるような風は方向性が決まってない。まるで満員電車で生活してるみたいだ。


テントを撤収して20分ほど歩くと野口五郎岳がある。ガスで展望が無い。周りの景色は分からないけど、山頂は広いような感じである。


野口五郎岳からしばらくすると竹村新道の標識が現れ、約1時間ほど歩くと東沢乗越に到着した。東沢乗越に小さなお地蔵さんがあり、風と雨が容赦なく吹き付ける。水晶小屋付近は風が強いと地図に明記されていたが本当なんだと実感する。水晶小屋に到着してから山小屋チェックを開始する。扉を開けると玄関と客間が目の前にあり、売店のスペースもわずかである。北アルプスで一番小さい山小屋と聞いていたが、小屋も発電機も何から何まで小さかった。


水晶小屋から縦走路を外れて水晶岳に足を伸ばす。ガスで何も見えない状況では、どこが山頂だか分からない。山頂付近に座っている人に聞くと、ここに小さな看板があると教えてくれた。きっとここからの眺めは素晴らしだろう。

水晶小屋に戻り、ワリモ岳直下の標識を無視して鷲羽岳に到着した。眼下に鷲羽池があるらしいが何も見えない。どんどん天候が悪くなってきたので、とっとと三俣山荘に行く事に決めた。

三俣山荘には、同じ日に入山した人達がたくさんおり、喫茶店でゆっくりくつろいでいる。ここは水も豊富で、とっても冷たく美味しい。天候が怪しくなり軟弱モードになりつつあるが、大勢の登山者がいるおかげで気持ちにゆとりができた。ここで幕営してしまうと明日の行程が辛くなるので黒部五郎小屋まで足を伸ばす事にした。

三俣山荘のテント場を過ぎると今までの登山道とは明らかに違う雰囲気となった。雪渓が現れたり、お花畑などがある。

三俣蓮華岳との分岐を通過すると、これでもかというほどガンガンと下る。今までの苦労が一瞬にして消えてしまうような感じである。黒部五郎小屋に到着すると強い雨が降り始め雷も鳴っている。テント場は川のようになって、最適だと思われる場所にはテントが設営されている。今日は雨との戦いになりそうだ。


朝起きてみると雨は降っていないがガスで周りの状況が把握出来ない。またしても視界不良の中を歩くことになってしまった。黒部五郎岳のカールを通過して小さな川を横断すると急登が現れる。そこからしばらく稜線を歩くと山頂だが、山頂には小さな看板と祠らしき物があるだけだった。

  黒部五郎小屋に戻り、前日下った登山道を登り返す。地図には上り2時間40分と記載され、濡れたテントがザックの重量を増している。  

  三俣蓮華岳から稜線コースをたどり、なんとなく双六岳の山頂に到着した。ここまで来ると、ただただつまらない稜線歩きで試練の稜線歩きとなる。  

  双六小屋に到着してから牛丼を注文して、待っている間に下界へハガキを送る事にした。小屋の中にはポストがあり、2、3日中に下界のポストに運んでくれるらしい。テント場は今日も風が強い。大学生グループは寝るのも遅く、午後9時過ぎまで騒いでいる。そして午前2時30分頃には起き出して、ワイワイガヤガヤ騒いでいる。とんだ迷惑だ。テントの中で夜明けを待っていてもしかたがないので、午前4時に双六小屋を出発。ヘッドライトを点灯させて、暗い登山道をゆっくり登りはじめた。

 

  まだかまだかと西鎌尾根を歩いていると、突然ガスが途切れて大槍が見えた。これで東鎌尾根、西鎌尾根、北鎌尾根と3つ尾根から槍ガ岳に登る事ができた。大槍に2回登って裏銀座の展望が楽しめないかと山頂で待っていたが、北鎌尾根が見える程度で最後の最後まで裏銀座を見ることが出来なかった。槍ガ岳の山頂で北鎌からやってきた人達を祝福して、天気が良さそうな殺生ヒュッテで牛丼を注文する。

 

  殺生ヒュッテのテント場は、風も穏やかで寝心地も良い。このまま天候が回復しなければ、上高地へ下山と考えていたが、翌朝は晴れて大槍も真っ青な青空に輝いていた。

急いで身支度を済ませて、大キレットを越えて北穂高山荘に行くことに決めた。

 

  槍岳山荘に到着すると、いつものようにガスで何も見えなくなてしまった。南岳小屋に立ち寄り、小屋の中にあった風力発電の計器を見ると、風速11m、気温8℃、体感温度-3℃と表示されていた。  

  南岳小屋からどんどん下り、ハシゴの順番待ちをしながら大キレットの鞍部に到着した。強い風とガスで岩にザックが引っ掛かって転倒したり、岩が濡れてないかなど色々と心配する。長谷川ピークを越えると、やっかいな馬の背が待っていた。軽いザックで天候が良ければなんともない場所も、突然の突風とスリップに注意しながら慎重に下る。ここを通過するとA沢コルに到着する。  

  A沢コルで一休みしてから、今まで下ってしまった標高差を取り戻さなければならない。マーキングに従い、しばらく登り返すと飛騨泣きが現れる。ここも晴れていれば難所らしいが、ガスで下が見えないだけに通過は楽勝である。

 

  北穂高小屋で外国の団体さんに囲まれ、肩身の狭い思いをしながら北穂高ラーメンを注文する。白いカーテンを引かれたテラスは下界と何ら変わらない。ここが3000m級だと言われても何も見えないので仕方が無い。

 

  気合を入れて下山してきたが、涸沢のテント場で雨が降ってきた。売店で雨宿りして本日2本目の缶ジュースを頂く。涸沢ヒュッテは何でも売ってて快適な場所である。  

  やっと雨と風から開放され静かな夜が迎えられると思っていたが、大学生が煩すぎて落ち着かない。
この時期は、とんでもないキャンプ場だった思い知らされた。
 

第1日目
七倉ダム(6:30)〜高瀬ダム(6:41)〜最終水場(7:09)〜三角点ピーク(9:28)〜烏帽子小屋(10:39)〜烏帽子岳(11:36)〜烏帽子小屋(12:32)〜野口五郎小屋(15:30)

第2日目
野口五郎小屋(5:08)〜野口五郎岳(5:27)〜水晶小屋(7:55)〜水晶岳(8:44)〜水晶小屋(9:24)〜鷲羽岳(10:44)〜三俣山荘(11:43)〜 黒部五郎小舎(14:19)

第3日目
黒部五郎小舎(5:13)〜黒部五郎岳(6:46)〜黒部五郎小舎(8:11)〜三俣蓮華岳(10:27)〜双六岳(11:41)〜双六小屋(12:48)

第4日目
双六小屋(4:27)〜千丈沢乗越(7:46)〜槍岳山荘(8:49)〜 大槍(9:28-11:10)〜殺生ヒュッテ(11:48)

第5日目
殺生ヒュッテ(5:21)〜中岳(6:52)〜南岳小屋(7:56)〜 長谷川ピーク(9:39)〜飛騨泣き(10:16)〜北穂高山荘(11:24)〜北穂高岳(12:11)〜涸沢ヒュッテ(14:07)〜横尾(16:14)〜徳沢(17:50)

第6日目
徳沢(5:50)〜バスターミナル(7:30)〜信濃大町駅(11:30)〜七倉ダム(11:55)

2002年8月10〜15日


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。