10月の三連休といえば2000m前後の山はどこへ行っても混んでいるので、そこそこ紅葉が期待できる地域に移動して、有名な山でも眺めようかと思っていたが、そんな都合の良い場所は無いので、安房峠から安房山に登って、冬山の偵察を兼ねながら紅葉トレッキングをすることにした。
安房峠の閉鎖された茶屋に車を置いて夜が明けるのを待つ。地図上では安房峠から安房山まで破線ルートとなっているが、暗闇の中を藪を漕いで歩くつもりは無いので、安房トンネルの排気口付近でカメラを構えて辺りの様子を伺う。排気口から車の騒音は聞こえないが、排気ガスと思われる湯気が立ち昇り、周囲はモヤっとしている。
パッとしない朝だったけど、カッパを着込んで登山道に足を踏み入れる。
いきなり縄梯子が現れ、トラロープもたくさんある。これから大変な登りになるんじゃないかと思っていたら、梯子は2ヶ所だけで登山道もそれなりである。 穂高や焼岳が見えるようになると笹が増え、ときどき胸の高さまで覆いかぶさる。足元はスッキリしているので歩くには問題無いが、あと数年もすれば完全に廃道になってしまいそうな勢いである。
三角点のある場所にやってくると大きな建造物が見えてきた。あんな立派な建物を山頂に作るなんて、きっと地図上には載ってない林道が存在するんじゃないかとキョロキョロ探してみるが、それらしき道路は無いようだ。 鉄塔の名盤には風力発電となっているが、てっぺんにあるはずの羽根は見当たらず、中継所の屋根にはソーラーパネルが取り付けてある。麓に電力を送っている様子は無いので、この設備の専用らしい。
近くに池があったので興味本位で見に行ってみる。小さい山椒魚が泳いでいるけど冬になったらどうなるんだろうか?
見晴らしの良い場所を見つけて、まったりと過ごしていたら、西穂高岳の先に槍が見えていた。 西鎌尾根の稜線も綺麗に見えていて、見慣れない景色と紅葉と青空のバランスが素晴らしく、ここに山小屋があったらとっても面白そうである。
早めに戻ってきたら焼岳に登るつもりだったけど、今日は安房山だけで十分なぐらい紅葉を楽しみ、三連休の最終日だったので大混雑する前に家に戻ることにした。