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八ヶ岳 赤岳2899m
八ヶ岳の赤岳は四季を通じて登山者が絶えず、アプローチの良さから近県の登山者に親しまれている。冬の赤岳に登るのには、山小屋を利用して夏山登山道から山頂を目指すコースが一般的で、天候や積雪の状況によっては日帰り登山も可能である。雪の状況、天候の急変により行動時間の制約がある場合は、即撤収できる余裕も必要になる。

赤岳の登山口となる美濃戸口には、JR茅野駅より通年運行されているバスを利用するか 、タクシーで現地まで移動する。日帰りで赤岳を目指すなら、諏訪南ICより八ヶ岳ズームラインを通り、美濃戸口から林道のを通って美濃戸まで車で入る。冬でも通行できる林道は、四輪駆動車にスタットレスタイヤとチェーンを巻きつけ、歩いている登山者に注意しながら赤岳山荘の有料駐車場に駐車する。1日の駐車料金が1000円と少々高いが、帰りのことを考えると美濃戸で準備をしたい。

午前6時50分。明るくなってきた空を見上げながら美濃戸山荘の分岐より林道と別れて、柳川南沢を歩いてゆく。

踏み固められた登山道は所々に氷が現れ、スリップしないように確実に足場を選ぶ。アイゼンの必要性は少ないかもしれないが、降雪直後やトレースが消えかかっている時は、アイゼンよりもワカンが欲しくなる。

沢沿いを歩き、横岳が目の前に見えてくると白河原と呼ばれる場所に辿り着く。

閉鎖された行者小屋の前から北アルプスの槍ヶ岳が確認できる。景色を見ながらピッケルとアイゼンを取り出し準備に取り掛かる。

行者小屋から文三郎道を登り赤岳を目指す。夏は鎖と階段があるはずだが、雪で登山道も隠れ、ピッケルとアイゼンで確実に登ってゆく。雪で階段が隠れているので、アイゼンを引っ掛けて転倒する心配は無いようだ。


稜線では強い風が吹いているかと予想するが、ほとんど無風状態。本当に冬山?と思うぐらい静かである。時折、斜面を転がる小さな氷の音が聞こえるほどシーンとしていた。

大パノラマに感激しながら昼食の支度を始める。普通なら風が強くて山頂にいられないのに山頂も無風。すごく珍しい事だと思いながらコンロを出して、夏山のようにゆったりとした時間を過ごしてしまった。

赤岳山頂。

赤岳からの下りは、赤岳展望荘を経て地蔵尾根を下る。

地蔵尾根も急であるが、文三郎道より雪があって降りるのには楽である。尻セードも試みるが、雪が硬くて痛いので素直に歩いて降りてきた。

行者小屋に到着してからアイゼンをザックに納め、ピッケルからストックに持ち替えて中山乗越を越える。陽気のせいか中山乗越を登り始めた頃からキツツキの木を叩く音が聞こえ始めた。トントン聞こえる音には真冬の厳しい環境を忘れさせる不思議な音。通年営業の赤岳鉱泉では、たくさんの人と賑やかな話し声が聞こえてきた。

赤岳山荘の駐車場に到着してから問題発生。駐車場出口にチェーンを装着しないと通行できないような事が書いてある。荷物を整理して、足早に美濃戸口に戻る林道を走るが、道路の雪は完全に氷となってスタットレスタイヤも効かない。急な下り坂では、歩行者よりも遅いスピードでタイヤが滑り始める。ここの林道は、必ずチェーンが必要だと実感してしまった。


美濃戸(6:50)〜行者小屋(8:44-9:13)〜稜線分岐(10:13)〜頂上(10:51-11:04)〜地蔵尾根(11:42)〜行者小屋(12:28)〜美濃戸(15:00)

2002年1月19日



「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。