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槍ヶ岳北鎌尾根 南岳3032m
9月の三連休は天気も良さそうだし、北鎌尾根経由で南岳に行く事にした。
北鎌は体力勝負の山なので、軽いザックを選択して、なるべく軽量化をしたつもりが、カメラの関係が重くて、水なしで16Kgほどある。新しいレンズもテストしたいし、中判カメラも捨てがたい。さんざ迷ったが、今回は中判カメラを諦め、短焦点レンズと手ブレ補正レンズの比較をすることにした。

明神、徳沢、横尾で大休止をして、水俣乗越の分岐に到着した。ここから先は未知の世界である。東鎌尾根にやってきたのも久しぶりだ。
上高地から蒸し暑い登山道を黙々と歩き続けたけど、稜線歩きじゃないので面白くない。天上沢へのアプローチは、大天井岳に登ってから貧乏沢を下ったほうがテンションも上がって気分的に楽しい。


北鎌沢の出合いに到着すると大勢の人達がキャンプをしていた。河原には水が流れておらず、念の為に途中で水筒を満タンにしておいたので、今日の水汲みは必要無さそうだ。
マッケンは途中で水を汲んでこなかったので、水を半分ほど提供して、槍沢ロッジで買ってきた缶ビールで乾杯。沢の水で冷やせなかったのが誤算だったが、カレーうどんを食べてから、沢を10分ほど下って明日の水を確保する。そこでは大勢の人達がキャンプしていたけど、北鎌を狙ってる人達は全部で50人ぐらいだろうか?稜線で落石が多発したら怖いので、明日は早目に出発することに決定。

早目に寝たので、いつものように午前0時に起きる。
月明かりに照らされた天上沢は、静かで幻想的だった。


北鎌沢の途中で1Lほど水を補給してからコルを目指す。3年前にコルで怪しげなザックを見かけたけど、何かの拍子に沢を転がり落ちたようで、破れてボロボロになったザックがあった。ついでにカッパのズボンも転がっていた。

9月の北鎌は、浮石が少なく歩きやすい。天狗の腰掛で展望を楽しみ、新しく買ったレンズテストをしながら景色の良さそうな場所を探す。
独標を直登するつもりだったが、マッケンの嫌そうな顔をしてたので意見に従い、トラバースしてから独標へ登る。
お助けロープがあったはずのチムニーを登り、独標へ一直線に進むが、北鎌沢で体力の温存を心掛けていたので、それほど辛くない。
独標からの景色は最高で、お馴染みの登山靴もある。だが、前回見かけたスコップは消えていた。


ルートも明瞭で、最短ルートを歩きながら「諸君頑張れ」のプレートに到着した。北鎌平に登るルートは天上沢、千丈沢、稜線を登るルートがある。千丈沢側へ回り込むと体力的に辛いので、天上沢側を偵察してから稜線ルートで登る。両手両足で登るルートは、前回と前々回に比べて楽勝だ。
「ここが北鎌平」の石はペンキも薄くなり、文字の判別出来なくなっきた。ここで昼寝するつもりだったが、頂上に大勢の人達がいるので、しばらくしてから歩き出す。

大槍には、以前問題となったペンキの○印が残っていた。
岩登りに物足りなさを感じていたので、わざとルートを外して登っていくが、いつの間にか上のチムニーに到着してしまい、○印に騙されてしまったようだ。

チムニーを登り、木の杭が見えてきたら頂上も近い。大勢のギャラリーがいるので、杭の横を通って登るのは恥ずかしい。ちょっと大変だが、祠の裏へ飛び出すようにルートを変更。ひょっこり祠の裏に飛び出たら大勢の人達に拍手された。3年前とは大違いである。


大槍の下りで渋滞に巻き込まれて、大混雑している槍岳山荘で生ビールを頂く。やっぱり山で飲むビールは美味しい。
槍岳山荘のテント場も魅力的だったが、快適に過ごせる場所が無かったので、予定通りに南岳のテント場へ向う。

アルコールが残った体で大喰岳や中岳の登りは気が遠くなるほど長い。
中岳の水場付近でアルコールが抜けてからは止まる事も無く、いたって快調だったが、行動中にビールを飲むのはバテやすいようだ。


三連休ということで小屋の靴置き場には、棚に入らないほど靴が並んでた。
拡張された南岳小屋は、以前と比べて格段に居心地が良くなり、濡れたザックやカッパで小屋を汚す心配も少なくなった。
聞けば、今日は130人ほど泊まるようで、にっちもさっちもいかないような状況みたいだ。


南岳の朝は、晴れる日と崩れる日がハッキリしてて、今日は明け方から小雨が降っている。予定では、大キレットを超えて涸沢へ行くつもりだったが、雨の日に大キレット越えるのは怖いので、横尾本谷を下って本谷橋を目指すことに変更。

天狗の踊り場までやってくると、すっかり雨も止み、北穂池の滝の近くに雪渓も確認できる。昨年の今頃は紅葉も綺麗で、北穂や南岳を眺めながら下山した記憶があるが、今年は1週間ほど遅いようだ。

雪渓の脇を慎重に通過して本谷橋までやってくると、もうヘルメットの出番も無くなった。ザックにヘルメットをブラ下げ、明神館でマッケンお勧めの岩魚定食を食べたら、久しぶりに白い御飯が美味しく感じた。


第1日目
河童橋(5:36)〜徳沢(7:16)〜槍沢ロッジ(9:41)〜分岐(11:09)〜水俣乗越(12:25)〜天上沢(14:35)

第2日目
天上沢(4:50)〜北鎌沢のコル(6:55)〜独標(9:17)〜北鎌平(12:09)〜槍ヶ岳(13:14)〜槍岳山荘(13:48)〜大喰岳(14:51)〜南岳小屋(17:09)

第3日目
南岳小屋(7:06)〜天狗の踊り場(8:32)〜本谷橋(11:01)〜徳沢(12:55)〜明神(13:58)〜バスターミナル(15:22)

2005年9月17〜19日

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。