金比良山の祠を通り過ぎ、右側に下る作業道を確認した付近から熊笹が増えてくる。営林署が作った地図には「小室歩道」と言う名前でルートがあったらしいけど、現在では僅かに踏跡が確認できる程度で、ほぼ廃道になってしまった状態である。
前回は朝露と薮漕ぎが嫌になって標高1600m付近で引き返してきたけど、今回はまだ熊笹の勢いも弱くて歩きやすい。見通しも良いので迷う心配は無さそうだが、進行方向左手にカラマツ林が存在するので、どの辺りが境界線なのかハッキリしている。
逆目の笹を掻き分けるようにして前進する。どれくらい進んだか検討もつかない。現在地も不明で、嫌になってきた頃にやっと残雪が現れ始めた。おもむろに雪の上を歩き始めるがズボズボ沈んで膝まで埋まってしまう。結構傾斜もあるので、薮漕ぎをしているのと同じくらい体力を消耗する。
進行方向の左側が開けてくると天狗岩方面が見えてくる。しばらくすると、かつて林業で使われていたと思われるワイヤーロープが木に巻き付けてあり、ここまでは作業する為に登っていた事が伺える。
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