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笈ヶ岳1841m
石川県と富山県と岐阜県の県境にある笈ヶ岳はハッキリした登山道が存在せず、残雪を利用して山頂へ登るようだ。笈ヶ岳に登るルートは色々あるが、日帰りで帰ってこれるルートは白山自然保護センターからジライ谷を経由するルートのみで、他のルートは1泊から2泊を必要とするらしい。

前日の21時頃に白山自然保護センターの駐車場にやってきた。強い雨で翌日に影響が残らないかと心配だったが、明け方までにスッキリ晴れ上がり、予定通り午前4時30分の出発ができた。
施設の裏側から野猿公園に続く登山道があり、まだまだ暗い登山道を歩き始める。



突然トンネルが現れた。電気ボックスのブレーカを上げても蛍光灯の反応は無い。上高地の釜トンネルと同じ雰囲気で真っ暗なトンネルをストックで確認しながら先に進む。しばらくすると、またトンネルが現れた。


野猿公園らしき場所に到着するが猿らしき姿を確認することは出来なかった。ここがジライ谷らしく、左岸に登山道があるらしい。慎重に渡って取り付きの目印を確認した。危険な場所には針金やトラロープなどが設置してあり、ガンガン高度を稼いでゆく。滑落したらタダでは済まない場所だ。


標高1185m付近から残雪が現れる。ここからアイゼンを効かせて快調に登れるかと思っていたら、あっとゆうまに雪も無くなり、藪気味の尾根を歩くようになった。

残雪が現れた地点から、なだらかな尾根を歩くようになると冬瓜山が見えてくる。稜線を歩くルート選択した場合、冬瓜山を通過するようになるが、今回は冬瓜平を経由するので見るだけである。
 

稜線が近くなるとトラバースをすような感じで左側に進む。振り返れば白山の展望が素晴らしく歩いてきた尾根もハッキリ見える。
先行する団体さんは冬瓜山を経由して笈ヶ岳方面に進むので、ここで団体さんと別れて静かな山歩きとなる。


初めて見る笈ヶ岳は普通の雪山のような印象である。それより冬瓜平のブナが素晴らしい。原生林が、そのまま残されているような感じだ。鍋倉山の巨木の谷と似てるが冬瓜平のほうが立派なブナが揃っている。

高度を維持しながら歩けると思っていたらデブリのある場所を通過しなければならない。ちょっと下って一気に上り返さないと落石や雪崩の心配がある。なるべく高度を維持しながら全速力で安全な場所まで移動する。

登山者がトラバースをしながらやってきた。この時間だと、どこかで幕営したんだろうか・・・?ちょっと高度差があるので、簡単な挨拶をしてから先に進む。

シリタカ山を直登してトラバースしながら稜線ルートと合流した。冬瓜平から稜線を歩いている団体さんを確認していたが、時間差にして20分ぐらい遅れただろうか?

あれが山頂かと思っていたら、次のピークが山頂のようだ。振り返ればシリタカ山や冬瓜山、冬瓜平の景色が素晴らしい。遠くに白山も見えるけど春霞でハッキリしない。


長かった道のりも終わり、いよいよ山頂が近づいてきた。背後に大笠山も見え、豪雪地帯なんだと実感する。


天候が良かったので簡単に笈ヶ岳に登ることができた。山頂は15人ほどの登山者で埋め尽くされ、色々な方向から、さまざまな人達で賑わっていた。ゆっくり山頂で過ごしていたが暖かい陽気にブロック雪崩が心配である。30分ほど休憩してから来た道を戻ることにした。

ジライ谷を下降中に小規模なブロック雪崩が発生していた。なるべく早めに安全な場所に戻りたいが、ジライ谷の下りも、ちょっと大変である。野猿公園に戻り、朝は暗くて気が付かなかったカタクリを見ながら、その日のうちに自宅へ戻った。

白山自然保護センター(4:36)〜1185m(6:29)〜稜線(8:00)〜シリタカ山(9:30)〜笈ヶ岳(10:52)〜シリタカ山(12:08)〜ジライ谷下降地点(13:50)〜野猿公園(16:02)〜白山自然保護センター(16:26)〜自宅(21:30)

2003年4月27日

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。