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大喰岳3101m
横尾本谷を登って南岳小屋に泊まった時に、管理人の坂本さんに「槍沢よりも大喰岳から滑ったほうが面白い」と勧められていた。
その後、偵察を兼ねて北穂池経由で槍ヶ岳に登ったが、崖のような急斜面は山頂から滑れるのか疑問である。覗き込まないと見えない斜面は、滑落したらアウトだ。

GW直前になって、再び大喰岳の斜面の偵察に入る。常念岳に登るまで半信半疑だったが、なかなか良さそうな感じだ。


いつものようにマッケンが遅刻してきた。沢渡からバスで出発する予定が、時間が勿体何のでタクシーで移動する。よくよく考えれば、バスに乗って上高地に乗り込んだことはない。

板にテレブーツを装着して運動靴で飛ばす。明神、徳沢、横尾で大休止をして、横尾からテレブーツで歩き始めるが、板を背負っているのでザックが重い。マッケンも必死になって歩いている。

槍沢ロッヂの手前で雨が降ってきた。今日の天気予報は晴れだと思ったが、無理して行動しても大変なので、素泊まり料金を払って早々に寝ることにした。


いつも寝坊をするマッケンが、なぜか早起きをした。不吉である。急いでラーメンを作って出発。
馬場平まで板を背負い、平地になってからスキー歩行で飛ばす。歩いても歩い変わらない景色は何だか疲れる。


槍を目指す人達とお別れして大喰岳を目指すが、斜面が広すぎて稜線が近づかない。地図で何度も確認しながらルートを模索するが、中岳や稜線からの雪崩が怖いので、なるべく安全そうな場所を見つけては大休止。
しばらくすると大喰岳のカールの底に到着した。誰もいないカールは、槍から死角となり、まるで秘境のようだ。


カールの底から1時間ほどで大喰岳に到着。大槍は大勢の登山者で賑わっていたが、こちらは横尾尾根を登ってきたパーティーと擦れ違っただけで静かである。槍や穂高、笠ヶ岳の景色が素晴らしく、飛騨沢や大喰沢を観察してから雷鳥を探しを始める。

マッケンに登ってきたルートを滑るように指示したが、「槍沢に落ちたら帰ってこれなくなる」と念をいれて忠告をする。カールの底へ滑落するなら問題ないが、どっちにしても厳しいようだ。

滑り出すまでに時間が掛かったが、快適なザラメなので滑りやすいと喜んでいる。しかし、しばらくするとグザグザのザラメ雪となり、抵抗が強すぎてスピードが出ない。


急ブレーキが掛かる雪が頻繁に現れ、スピードにも乗れず、何となくターンを繰り返す。マッケンのテレマークも、しっかり教えただけあって、ちゃんと滑れている。

槍沢ロッヂから上高地までが遠かった。20Kgほどありそうなザックは、ずっしり肩に食い込んで痛い。途中でマッケンの兄弟に襲われそうになりビビったが、何とかタクシーを捕まえて沢渡の温泉に直行した。


第1日目
上高地(6:23)〜明神(7:27)〜徳沢(8:19)〜横尾(9:20)〜槍沢ロッヂ(11:56)

第2日目
槍沢ロッジ(4:54)〜キャンプ場(5:29)〜大喰岳(10:50)〜槍沢ロッヂ(13:26)〜横尾(15:16)〜徳沢(16:19)〜明神(17:09)〜河童橋(18:00)

2005年4月29〜30日


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。