「御来光を見るためには、金曜日の夜に出発して土曜日の朝に間に合うように歩かなければならない。どうしようか悩んだ結果、金曜日の仕事を終えてから三股の駐車場で相棒と合流することになった。」と書いたのが 先月の事である。
前回は、マッケンにすっぽかされて1人で登るはめになったが、今回は三股の駐車場でマッケンが暇つぶしのメールを打っているので、寝坊しても必ず行かなければならない。
三股の駐車場にやってくると、今からテントで寝ようとしているグループがいる。登らないで寝たい気分だが、マッケンを鍛えないと今後の山登りに狂いが生じてくるので、元気な顔して睡魔と闘いながら歩き始めた。
まめうち平を過ぎた頃から雪が多くなり、旧ベンチから膝下ラッセルが始まる。 昨日のトレースが残っていたけど、雪が舞っているので、ほとんど消えかかっている。
もしかしたら朝焼けの時間に間に合わないかと心配していたが、赤く染まった穂高も見れて運も良かった。 強い風が通り抜ける稜線は、放射冷却影響と寒気の接近で、厳冬期並みの寒さである。指は痺れ、顔もヒリヒリするが、闇から開放されると心地よい寒さになった。
冬期小屋でマッケンが持ってきたインスタント珈琲を沸かして奪うつもりが、ガスコンロの炎の調節部分が壊れてしまい、ガス缶を取り付けると全開になってしまう。基本的に、冬山では火を使う食べ物を持ち歩かないようにしているが、ガスコンロの故障は致命的だ。
2005年11月26日
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」