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横尾本谷

その昔、横尾本谷の事について話を聞いた事があったけど、すっかり忘れていた。2年前に大キレットを通過した時は真っ白で何も見えず様子が分からなかったけど、たまたま南岳小屋のホームページを見てたら横尾本谷のルートが記載されていた。
今回は大喰岳のスキーツアーの様子も伺いたかったので、最短ルートで登れる横尾本谷から周辺の状況を確認しながら南岳小屋に泊まって、翌日は天狗の踊り場で写真を撮りながら北穂池のルートを観察することにした。

マッケンが遅刻してきた。
いつもの事だが1時間ほど遅い出発である。
明神、徳沢、横尾と、のんびり休憩しながら本谷橋に到着した。横尾本谷へ通じる登山道は、皆さんが休憩してる対岸を歩かなければならず、呼び止められる前に全速力で藪の中へ消える。
昔の登山道が残っているけど、ほとんど獣道状態。藪から河原に降りると毛虫が何匹も体に張り付いていた。左岸と右岸を行ったり来たりしながら涸沢出合に到着する。やっと毛虫から開放された気分だ。


二俣から右俣に入り、初めの滝を高巻きしてから、どんどん登ってゆく。振向けば「屏風の頭」方面の見晴らしも良い。

石に付着した水コケが滑りやすく気を付けながら歩いてるとマッケンの兄弟が登場した。怪しげな○○語で語りかけていたが何を喋ってるのか分からない。小学生の頃から親父に連れられ北アルプスに通っていたので、きっと本能が働いてるんだろう。


  最後の滝を越えると黄金平と呼ばれる素晴らしい場所に到着した。近くにマッケンの兄弟がいるが見える範囲に人間は居ないようだ。

小屋のホームページに「槍穂の別天地・残された楽園」と書かれてあったが、まさにピッタリの言葉だと思う。
滾々と湧き出る水は冷たく美味しい。マッケンは痺れる水だと言っていたが、転んだ時に頭でも打ったのだろうか?

 

  大きな石の上で休憩してた時に南岳小屋の管理人が見てたようで、小屋に辿りついてからから行動がバレバレだったと気付く。

知り合いも1976年9月に南岳カールへ訪れていたが、写真を見比べても変わりないようだ。

 

草付きの嫌らしい場所を通過して天狗原のコルに到着した。まだまだ稜線も遠く、疲れた体に厳しい登りである。
槍を見ながらボケーっト過ごし、16時頃に小屋に到着できるようノロノロと歩き出した。

前回と同様に真っ白で何も見えない。
素泊まりの手続きをしてから外のテーブルで棒ラーメンを作るが、意外と風が強くて寒い。マッケンは半ズボンで俺よりも寒いはずだが、唇が紫色になっても寒くないと言い張るはずなので、心配しても余計なお世話かもしれない。

日が暮れると星空が綺麗に見えてきた。人工衛星が見えて写真も撮りたかったけど、ちょっと風が強いので早々に寝ることにした。

 


天気図どおりに綺麗に晴れた。槍や穂高、浅間山の噴煙も見える。
予定ではA沢コルから左俣を下山するつもりだったが、管理人の話によると最低コルまで下ってしまえば、どこから降りても同じ状況らしい。大キレットを通過したかったけど、時間の都合でA沢コルまで行くのが面倒になり、遭難者に間違われないよう、さっさと下山する事にした。


天狗の踊り場から見る北穂は、とってもカッコイイ。
南岳も荒々しい山だと再認識するが、きっと北穂小屋や南岳から歩いてるのが丸見えだろう。

浮石だらけで大きな石でもグラグラしている。
コケて自分の足に石を転がさないよう慎重に足場を選ぶが、登山道を歩くよりも快適である。
石から石へピョンピョン跳ねながら下るが、途中に落差がある場面も登場するので気が抜けない。


滝の写真を撮ろうとザレた斜面をトラバースするが岩雪崩が発生しそうで怖い。スケートのコーナリングのように片方の足が流れる前に、どんどん足を出して進むも、パッとしない風景にガッカリする。

北穂池の滝で水浴びをする。だんだん日差しが強くなってきたので、体を冷やすのに丁度良かった。


涸沢出合までやってくると遠くに南岳が見えていた。藪漕ぎが嫌だったので河原を歩いて本谷橋へ向ったが、だんだんと水量が増して渡渉するのも大変である。
橋が見えるとバリエーションルートも終わりだが、まだまだ上高地まで距離がある。急いで帰っても仕方ないので、のんびり休憩しながら、なぜか急ぎ足で上高地へ向った。

第1日目
上高地(6:11)〜明神(7:09)〜徳沢(8:02)〜横尾(9:17)〜本谷橋(10:34)〜涸沢出合(11:15)〜二俣(11:50)〜黄金平(12:44)〜横尾尾根(14:28)〜南岳(16:09)〜南岳小屋(16:17)

第2日目
南岳小屋(7:30)〜大キレット(7:50)〜天狗の踊り場(8:30)〜北穂池の滝(9:16)〜二俣(10:10)〜本谷橋(11:06)〜横尾(12:06)〜徳沢(13:21)〜上高地(15:07)

2004年9月11〜12日

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第244号)」


登山をされる方へ

日帰りで帰ってこれる山登りが中心となっています。
山に登られる方は地元の警察や登山地図を参考に登山計画を立ててください。なお、このサイトはあくまで私が見た現地の様子なので、参考程度に御覧下さい。